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不眠を解消させる食べ物【レタス】

サラダや料理のつけ合わせとしてすっかりおなじみのレタスですが、緑色をした球形のサラダ菜(ハレタス)、白くてキャベツ状のタマチシャ、サラダ菜やタマチシャの中間のようなサニーレタス、中国料理や韓国料理に使われるチシャなどが代表的なものです。このレタスに、催眠効果があるのをご存知でしょうか。眠れなくなって困っているときに、手軽にレタスを食べることで健康的に熟睡を得ることができるのです。
ここでは、台所にある健康的な睡眠薬、レタスの薬効について紹介します。
レタスの原産地は、ヨーロッパです。その起源は古く、ギリシャ・ローマ時代にさかのぼりますが、レタスの持つ催眠効果はすでに起源1世紀ごろにはわかっていたようです。
古代ギリシャの学者ディオスコリスが書いた「ギリシャ本草」という薬草の本には、「栽培されたレタスは、少しばかり体を冷やす作用があり、胃によく、また催眠作用がある」との記述があります。添えられたレタスの図は現在のサニーレタスによく似ています。また、ローマ帝政期の将軍で、偉大な博物学者でもあった大プリニウスは、「ブラックレタスの一種に、眠りを誘う乳汁を含む小さなケシと呼ばれるものがある。もちろん、レタス類はすべてこの働きを持っている」と述べています。
このように、昔からヨーロッパの人々はレタスの催眠効果を認め、代々知識として伝えてきました。その証拠に、ヨーロッパの一部では、今でも「レタスを食べれば眠れる」という言い伝えが残っているのです。

眠りを誘う乳汁は、ラクッシンやラクットピコリンという物質です。これらの成分は、体内に少し取り入れたときには、鎮静効果を現し、たくさん取り入れると、麻薬効果を発揮することが研究で証明されています。
レタスの中でも、ヨーロッパ種のラクーツカやビローサというレタスには、この成分が多く含まれていますが、日本では、これらの特殊なレタスはなかなか入手できません。したがって、同様の効果があるサニーレタスやチシャで代用することになります。
とくに、中国料理や韓国料理で使われるチシャは、サニーレタスとは形はほとんど同じですが、葉は濃い緑色で、中央脈が細く、催眠効果は抜群といわれています。
ところで、眠れないときにどれだけの量のレタスを食べれば熟睡できるのでしょうか。ひどい不眠症の場合は、大きめのサニーレタス3個をスープで煮て、かさをへらしてから食べるようにするといいでしょう。
レタスは、カロチンやカルシウム、鉄分などを含むので、肉や豆腐などのたんぱく質といっしょにとると栄養のバランスが取れて健康づくりにも役立ちます。
副作用の心配の少ない自然の睡眠薬レタスを、安らかな眠りのためにぜひお役に立ててください。

不眠を解消させる食べ物【酢タマネギ】

タマネギは、料理に広く利用されているとても身近な野菜で、すばらしい薬効を持っています。このタマネギを薄くスライスして酢に漬け込んだ「酢タマネギ」が、不眠解消にとても有効なのです。
漢方では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)と、それらに作用する食品をその色や味、形と結びつけて考えます。この考えでは、タマネギは「心」に作用する食品とされています。「心」は自律神経の働きをつかさどり、そのバランスを保つ役割をしています。ところが、女性の更年期や男女を問わず大きなストレスを感じたときには、「心」の働きが低下し、自律神経のバランスがくずれてしまいます。
その結果、不眠をはじめとしたさまざまな不定愁訴に悩まされるようになります。これは、若い頃から冷え性体質だった人に強く現れる傾向にあります。
これに対し、タマネギのようにビタミンB1が豊富な食品は、漢方では「心」に働き、自律神経を整えると考えられています。また、タマネギには体を温めて血液循環をよくする作用があるとされています。したがって、タマネギは不眠を改善するのに有効だといえるのです。
さらに、タマネギのにおいの成分の一つである硫化アリルにも高い薬効があることが最近の研究でわかってきました。硫化アリルは、血管に血液が詰まるなどしてできる血栓を溶かして、血液の流れをスムーズにする血栓溶解作用があります。また、血液中のコレステロールをへらし、血栓ができたり血管が傷つけられたりするのを防ぐ作用もあります。
このように高い効果のあるタマネギですが、薬効成分の中には、加熱するとこわれやすいものもありますので、生のまま酢に漬けて作る酢タマネギは、タマネギの薬効を取り入れるのに非常にすぐれているのです。
一方、酢には体を温める作用や?血をなくし、血液循環をよくする働きとともに疲労を回復させる働きがあります。また、血中のコレステロールや中性脂肪をへらしたり、血糖値をコントロールする働きも認められています。
タマネギと酢を組み合わせると、相乗作用によってストレスからくる不眠などにとても高い効果を発揮します。不眠のためには、酢タマネギは1日にタマネギ3分の1個(約60グラム)分は食べるようにしましょう。
また、酢タマネギを食べるだけでなく、タマネギを漬け込んだ酢も料理に利用したり、お湯などで薄めて飲んだりするといいでしょう。酢には硫化アリルの薬効が大量に含まれていますので、血流改善や疲労回復効果がさらに高まります。
ただし、酢は体に水分をためる働きがあると考えられていますので、体の水分代謝が悪い人は、高い利尿効果のあるタマネギの芯の部分を利用したり、タマネギの皮を洗って陰干しにしたものを煎じて飲むといいでしょう。
また、タマネギをスライスしたものを枕もとに置いておくと、自然な眠けに誘われて安眠できると古くからいわれていますが、これもタマネギのにおい成分のもたらす鎮静効果と考えられています。

不眠を解消させる食べ物【長ネギスープ】

長ネギが薬だというと驚かれる人もいるかと思います。しかし、民間療法で風邪に長ネギが用いられるのは有名ですし、今日でも長ネギの白い部分は蒼白というれっきとした生薬の一つに数えられています。日本の漢方の主軸となる「傷寒論」という中国の有名な医学書の古典にも、蒼白を使った白通湯という漢方薬が記載されており、奇跡的な効果をもたらすほどの名薬として知られています。
生命力が充実しているときは、陰陽の気が手を取り合っています。蒼白、つまり長ネギの白い部分は、上がった陽気を下げ、陰陽の気のバランスをとる働きがあります。
もちろん、そんな重症な状態でなくても、陽気が頭に上がっているために体が「冷えのぼせ」の状態になり、夜眠れなくなるということがあります。こんにときにも長ネギが使えます。夜、なかなか眠れないという人は、寝る前に長ネギスープを飲むと、上がった気が下がっていつの間にかスーッと眠りにつけるようになります。

長ネギスープの作り方は簡単です。
まず、水250~300ミリリットルを鍋に入れて火にかけます。その間に、よく洗った長ネギの白い部分を10センチくらいの長さに切り、それをフライパンなどで軽く焦げめがつくくらいに焼きます。
軽く焼いたら包丁でみじん切りにします。お湯が沸騰したら、みそ大さじ1杯を加え、煮立てます。沸騰したら、火を止めてみじん切りにした長ネギを入れます。これに、おろしショウガや削ったカツオブシを少々加えてもかまいません。
長ネギは、緑と白の部分の境界が明確で、ハリのあるものを選んでください。また、長ネギを少し焼くと甘みが出てきます。
睡眠不足で体力が消耗しているときは、甘みが体力を回復させるのに役立ちますので必ず焼いてから用いてください。長ネギを加えて10秒ほどしたらおわんに移して飲んでください。
1日に1杯を寝る前に飲むとよいでしょう。飲むと体が芯から温まり、心までポカポカし、次第に眠けが訪れます。
長ネギスープだけでも効果がありますが、とくに神経質な人の場合、帰脾湯という漢方薬と長ネギスープを合わせて飲むとさらに効果的です。

不眠症対策の飲み物【シソジュース】

シソには赤ジソと青ジソの2種類があり、青ジソの葉は「大葉」とも呼ばれて1年中出回っていますが、赤ジソは梅干しをつける季節である6月から9月頃の間だけ売られています。漢方などで薬として用いられるのは、主に赤ジソのほうです。
シソは、シソ科の一年草で、中国やミャンマーが原産です。日本にもかなり古くから存在しており、縄文遺跡から種が出土しています。江戸時代には薬用されることも多くなりました。
シソは生薬としても使われており、薬効の高さにも定評があります。シソを配合した有名な漢方薬には、半夏厚朴湯(神経症の薬)、神秘湯(気管支ぜんそくの薬)、香蘇散(発熱や頭痛の薬)、参蘇飲(風邪の薬)などがあります。漢方的にいうと、シソは、味は辛(からい)、性質は温(あたためる)で、よい香りが特徴的です。また、ひじょうに軽量であることも大きな特徴といえます。
シソの薬効は香りにあると古くからいわれてきましたが、これはシソの葉に含まれている揮発性の油に(シソ油)によるものです。
香りがよく軽いという性質があることから、漢方的には気(東洋医学でいうところの生命エネルギー)のめぐりをよくする作用があると考えられています。このような性質を利用して漢方では主に胃腸や肺の病状に用います。
不眠の原因にはさまざまありますが、胃腸の働きが悪いことから起こるものも多くあります。シソは気をめぐらせるので、抑うつの原因となる気のとどこおりを取って、気分をふさぐのを防ぐ作用があります。胃腸の働きを正常にする作用とともに、不眠の解消に役立つのです。また、シソは体を温めるため、手足の冷えから寝つきが悪くなる場合にも効果を発揮します。

シソは、生薬を食べるのでは一度に摂取できる量が限られてしまいます。そこで、シソジュースにしておいしく効率的に摂取する方法を紹介します。
シソジュースの作り方は次のとおりです。
まず、シソの旬のころ(6月~9月)に出回る新鮮な赤ジソの生葉を150グラム用意します。これを30分ぐらい水にさらしてアク抜きをします。また、赤ジソの葉を乾燥させたものが生薬として漢方薬局で市販されていますので、そちらを利用してもいいでしょう。この場合はアク抜きは必要なく、量は10グラム用意してください。
これを1リットルの水とともに鍋に入れ、強火で煮ます。沸騰したら弱火にして15分ぐらい似て火を止めます。長時間煮ると香りも飛んでしまい、薬効も落ちてしまいます。
シソの葉は、鍋から取り出してその残りの汁に好みでハチミツを適量加え、甘みをつけたらできあがりです。不眠解消のため、1日に200ミリリットルぐらい飲むといいです。

不眠症対策の飲み物【ホットミルク】

乳児はミルクだけで育ちます。赤ちゃんにとってミルクはなくてはならない栄養源であるばかりでなく、赤ちゃんが健やかに成長するための生体の働きを調整する機能性物質が豊富に含まれた完全食品です。
ミルクに含まれる機能性物質は、顕在因子と潜在因子の2種類に大別することができます。顕在因子とは、はっきりと形にあらわれて存在している機能性物質です。潜在因子とは、ミルクに含まれるたんぱく質の消化過程で生じ、調整機能を持つペプチドのことです。顕在因子としての機能性物質では、体を若返らせる作用を持つガングリオシドがあります。この物質は、糖と脂肪が結合した糖脂質の一種で、脳を発達させ、記憶を形成させます。
母乳に含まれるガングリオシドの種類は、産後の日数を追って規則的に変化します。この種類の変化が、記憶の形成や脳の発達に大きく関係していることがわかっています。この変化はまた、母親のお産の経験や母親の年齢などに関係なくみられます。

ミルクに含まれる機能性物質のうち、脳の機能に関係する潜在因子としては、モルヒネ様ペプチドがあります。
たとえば、赤ちゃんがすやすやと眠ったり、寝入ったあとに多少の物音に目を覚まさなかったりするのは、このモルヒネ様ペプチドが脳に有効に作用しているからといわれています。そのため、大人でもミルクを飲むと鎮静効果を得られてぐっすりと眠れるのだと考えられています。
ミルクには、これらの多くの生体を調整する機能性物質のほかにも、脳をはじめとして体の構成に必要なたんぱく質、ミネラル、ビタミンが多量に含まれています。ミネラルとしては、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウムが含まれ、ビタミンとしてビタミンA、B1、Cが含まれています。ビタミンB群やカルシウムは神経のたかぶりを抑制する働きがあり、深い眠りをもたらします。
そのほか、ミルクにはアミノ酸の一種であるトリプトファンが含まれています。
これは、眠りの質を高める成分です。トリプトファンは、眠りをコントロールするといわれているセロトニンを生成するのに欠かせない成分です。
また、空腹で眠れないときにミルクを飲むと、胃に負担をかけないのでスムーズに眠りにつくことができます。

不眠症対策の飲み物【黒酢ワイン】

酢は昔から体によいとされ、血液中のコレステロールや中性脂肪をへらして血液をさらさらにする働きがあります。さらに、血液中の赤血球のしなやかさを高める働きもあります。したがって、酢にはドロドロの血液の粘度を下げ、体のすみずみまで血液が循環するようにしてくれる働きがあるのです。
このように薬効豊富な酢ですが、そのなかでも天然醸造の酢、中でもつぼで発酵させた天然醸造の米酢である黒酢がいいといわれています。黒酢は、専門家の実験や研究に多く使われ、血液の浄化や血行促進に効果があると認められているからです。
この黒酢を手軽においしく飲むための方法として「黒酢赤ワイン」がおすすめです。名前のとおり、黒酢を赤ワインで割って飲むものです。赤ワインと合わせることによって、黒酢の味やにおいがまろやかになり、たいへんおいしく飲めます。食品の持つ生理機能を生かすためには、一定の量を一定の期間、一定のリズムでとることが必要となります。口当りがよいとあきずに飲み続けることができ、いっそう効果を得やすくなります。
不眠症の解消のためのナイトキャップと称して寝る前にお酒を飲む人もいますが、あまり量を過ぎると、たとえ眠れたとしても、かえって眠りが浅くなります。少量でも効果的に安眠できる黒酢ワインのお湯割りを紹介します。

黒酢10ミリリットルに赤ワイン30ミリリットルを加え、よくかき混ぜます。これを好みの量のお湯で割り、レモンの絞り汁を適量加え、1~2秒おいて酢のにおいを飛ばせばできあがりです。レモンの絞り汁の代わりに、レモン味の炭酸飲料を適量混ぜてもおいしく飲むことができます。これを1回量としてお風呂あがりの体が温かいうちに飲みます。
不眠に悩む人の多くは、手足が冷えて眠れないといいますが、黒酢赤ワインをお湯割りで飲むと、黒酢とアルコールの血行促進がさらに高まり、ぐっすり眠れるようになります。
なお、現在病気の治療中という人は、医師に相談してから黒酢赤ワインを飲むようにしてください。とくに投薬を受けている場合は注意が必要です。中にはアルコールと一緒に飲むとトラブルを起こすおそれのある薬もありますので、投薬を受けている人は、必ず医師または薬剤師に相談してから黒酢赤ワインを試すようにしてください。
不眠症の解消のためには、3~4ヶ月は継続して黒酢赤ワインを飲んでください。体のすべての細胞が新しく生まれ変わるには、それくらいの時間が必要だからです。

不眠症に効果がある漢方

現代医学では、不眠症の治療に主として睡眠薬を使います。寝つきが悪いのか、熟睡できずに眠りが浅いのかなど、不眠のタイプによって薬を使い分け、量もきちんとコントロールしますが、それでも神経に作用して眠らせる薬ですから、少なからず体によくない影響はあります。
また、睡眠薬には習慣性があります。長期間の常用は避け、医師に指導された服薬回数や量を守ることが大切です。
不眠症に対して、神経系の興奮を鎮めて治療を行うのは、東洋医学でも同じです。
異なるのは、それに加えて気(一種の生命エネルギー)、血(血液)、水(体液)のバランスをも同時に整えようと考える点です。
ところで、不眠症によく用いられる漢方薬には、おもしろい特徴があるのです。
漢方薬の原材料となる生薬の主体は植物ですが、不眠症の人に処方される漢方薬には、竜骨(古代哺乳動物の化石)、朱砂(水銀化合物)などの鉱物が配合されているのです。そのほか、磁石、琥珀、紫石英、動物性のものでは真珠も使われています。炭酸カルシウムをはじめとするミネラル類が、眠りに重要な役割を果すことを先人は経験的に知っていたのだろうといわれています。
不眠に用いる代表的な漢方薬には、酸棗仁湯があります。サネブトナツメの種子をメインに、知母(ハナスゲの根茎)、センキュウ(センキュウの根茎)、茯苓(マツホドの菌核の外皮)、甘草(カンゾウの根)を組み合わせたものです。胃が弱く、体力のない人に用いても安心で、いつの間にか薬なしでも眠れるようになるという頼もしい漢方薬です。
夜になると葉が閉じるまで眠っているようにみえるネムノキも、不眠症に効く生薬として古くから使われており、合歓湯という心にくい処方もあります。
そのほか、体力のある人向けに、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、三物黄ごん湯などが使われます。
一方、体力のない人向けとしては、帰脾湯、加味帰脾湯、竹茹温胆湯、加味逍遥散、抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯、人参湯、甘草瀉心湯など、さまざまな漢方薬が使われますが、いずれの場合も体質に合わせた微妙な選択が必要になります。

不眠症対策 枕なしで寝る

人間の背骨は、首の部分(頚椎)が体の前に湾曲し、胸の部分(胸椎)が後方に彎曲、腰の部分(腰椎)が再び前方に彎曲しています。これは、人間が直立するのに大事なカーブであり、寝ている間はこのカーブの度合いがある程度ゆるめられています。
しかし、枕を使って寝ると、首はどうしても前かがみになります。高い枕だとなおさらです。昼間立っているときも前かがみ、寝てからも前かがみでは、首や肩の筋肉にいつも負担がかかっている状態になり、血行障害、さらには頚椎を傷める危険もあります。
頚椎の損傷でもっとも多いのは、隣り合う2個の椎骨(背骨を形作る骨)の位置がずれ、椎骨の間が狭くなることから起こる障害です。こうなると、頚椎の間から出ている神経が圧迫され、手のしびれや麻痺を起こすことがあります。
これは椎骨だけでなく、ほかの背骨の部分でも起こる可能性があり、そこから出ている神経が支配する臓器などに異常が起こって、心臓や肝臓の病気や足腰の痛み、不眠症などが起こる原因にもなります。
また、私たちは一晩のうちに何回となく寝返りを打ちます。寝返りは姿勢を矯正するのに役立ちますが、ほとんど寝返りを打たず、同じ姿勢で寝ていると、背骨とその周辺の筋肉に疲労がたまってきて、肩こりや腰痛、ひいては内臓の病気につながることもあります。
体にとって有効な寝返りですが、枕を使って寝ると、ほとんど打たなくなるのです。枕を使うとゆるむはずの背骨が強制的に前屈させられます。無理に前かがみの姿勢をとるため、頭や首がつらい状態になります。そうすると、体は無意識にらくな状態になろうと横向きの姿勢になり、寝返りをほとんど打たなくなります。
また、長い時間、同じ横向きの姿勢で寝ていると、首から背骨にかけて横に湾曲した状態が続き、目覚めたとき肩がこったり背中が痛かったりという病状が現れます。
こうした症状は、枕をしないで寝るだけでかなり緩和されます。ただし、人によってはいきなり枕を外すと眠れなくなることもありますので、最初は今使っている枕よりも低めの枕に替え、その後少しずつ枕を低くしていって最後に枕を外せるようにするといいでしょう。枕を低くしただけでも腰痛や頭痛が取れ、熟睡できるようになった人は、必ずしも枕を外す必要はありません。
今まで、無意識のうちにやわらかすぎる高い枕をしていた人も、低めの枕にしてみることで熟睡できるようになります。慣れないうちは違和感があるかもしれませんが、背骨を整え全身の健康のためにも、枕の高さを確認してみるといいでしょう。

不眠がうつ病のせいかをチェックする

睡眠障害と精神疾患の関係は、微妙な面をもつといわれています。
それは、睡眠障害は人の身体の疾患であり、精神疾患は心の病状なのですが、どちらの疾患であるのか判断が、非常に難しいということです。例えば精神疾患のうつ病の場合、軽傷のうつ病患者の70~80%に睡眠障害が発生し、重病のうつ病患者では必ず睡眠障害が伴うことがあります。
世界保健機構によると、うつ病は先進国において慢性の成人病の第4位を占めていて、2020年には、第2位になるまで増加すると予測されています。男性10%、女性では20%が生涯に一度はかかると言われています。日本では、成人の4~5人に1人が睡眠障害に悩んでいると言います。

うつ病は、気分障害の病気であり、生きる意欲を失ってしまう病気です。うつ病に疾患すると、気分が落ち込む、ふさぎ込むなどの抑うつな気分が生じ、興味と喜びの著しい減退、集中力ややる気が低下し、何をするにもおっくうになります。食欲や性欲が低下し、体重の減少、疲労感や倦怠感がとれなくなり、不眠やまれに過眠に悩まされるようになる、つらい症状です。このような状況が続くと死にたいと思うだけでなく、現実に自殺をしてしまう危険性が非常に高くなります。うつ病は、嵩じると人間の生死に関わってくる病気なのです。

さて、不眠がうつ病のせいかをチェックする方法について説明します。うつ病に伴う睡眠障害は、特徴的な症状をもつと言われています。それは、朝早く目が覚めてしまい、その後眠れなくなる早朝覚醒と夜中に目が覚めてしまいなかなか眠れなくなってしまうか、または眠っても浅い眠りになってしまう中途覚醒です。つまり、うつ病の患者の睡眠は、半睡状態にあるということです。
また、まれにではありますが、入眠障害、熟眠感欠如もみられると言います。不眠症に特徴的な症状が起きるのです。
これに対して、単なる寝不足や睡眠障害では、例えば徹夜をした時のように、次の日などの眠りに反映されて熟睡することがいつもより多くなったり、「はねかえり現象」というたまらなく眠くなり、寝るとたちまちぐっすりと眠ってしまうという状態を呈するようです。逆に居眠りや昼寝をすると、そのぶんだけ夜になっても眠れなくなったり、寝つきにくくなったりすることが多いのです。睡眠とうつ病では、睡眠について同じ症状を発現することもあるため、見分けにくいこともありますが、うつ病に特有な諸症状について判断することが肝要でしょう。

精神生理性不眠とは?

明日は運動会、明日は待ちに待った修学旅行、そんなときに眠れなかった思い出はあるかと思います。子供の頃にも、眠れないということはあるものですが、大人になっても、そういうことはよくあります。心配事があったり、緊張が高まるようなことがあるときには、しばしば眠れないことはあります。
眠れないからといって、すぐに病院に行く必要はないですが、こういった状態が長いこと続くと、夜の時間になると眠りについてのこだわりも起こり、今日は眠れるかなと心配になってきます。そして、眠れない原因だった心配事がすっかり解決した後も、眠れないのではという心配だけが残って、ゆっくりリラックスするはずの布団の中に入ると緊張してしまうということが起こることがあります。
このような状態を精神生理性不眠といいます。精神の緊張が、生理学的つまり脳や体の方に影響を及ぼして眠れなくなるという意味です。こういう状態の人は、日中から夜眠ることが不安になり、さらには自宅の寝室に入るとその不安が増大してリラックスできなくなることもあります。また、そういうバアは逆に旅行に行ったり友達の家に行くとかえってよく眠れるということも、ときにみられるようです。

このような症状にはいくつかの治療方法があります。
一般的には、ベンゾジアゼピン系などの睡眠薬を眠る前に飲んだり、抗不安薬というリラックスさせる薬も合わせて服用する場合もあります。また、これと同時にさまざまな睡眠衛生指導や精神療法、行動療法なども行います。
睡眠衛生指導は、夜眠れないので昼寝して夜眠りにくくなっている場合や、アルコールに頼る結果になっている場合、必要以上に早く布団に入ってかえって寝室での不快な時間を増やしている場合があるので、そういったことを変えていくように指導します。また、そのほかにも軽運動の習慣をつけさせたり、睡眠前にぬるいお風呂に入ったりすることも薦められます。アルコールは睡眠を促進する方法としてはよいとはいわれていません。いくぶん眠りやすくなりますが、眠りを浅くしたり、朝早く起きるようになったりするからです。医者やカウンセラーと話をして問題を解決していく治療である精神療法では、不安となっている原因があればこれについて明らかにしたり、患者が不安になっていることに対してそれを支えてあげるような形で接して、患者が問題を受け入れ、落ち着いて考えられるようにしたりします。また、行動療法としては自律訓練法など、自分自身で自分をうまく落ち着かせるような方法を身につける指導をしたりします。
病院に行くことによって、睡眠の問題を専門医と一緒に考えられたということなどもうまく作用して、ほとんどの場合は改善するといいます。よくなった状態がしばらく続けば、睡眠薬もだんだん減らしてやめていくことができます。

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